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2005年11月13日 (日)

今の日本人に求められるナショナリズムとは・・・

先日、拙ブログでも取り上げた「国家の罠」(新潮社2005年)。

その後、発刊された佐藤優氏の「国家の自縛」(産経新聞社2005年)を読みまして・・・。

この佐藤優さんという方は同志社大学の大学院神学研究科卒でありまして、私とは畑が違いますが同じ、神学の研究者という共通項があります。

人物的にも大変興味深く、私とは比較にならないほどの知識量と深い見識、造詣をお持ちでらっしゃいます。

しかし、この「国家に自縛」を読み、考えるプロセスに大きな違いはありますが、結論が同じ、もしくはかなり近い見解にいたる部分があり、それについて引用をさせて頂きながら、私の考えを述べて行きたいと思います。

P76~77

戦後、日本人は国家のあり方、伝統的言葉で言うならば国体に関する問題を放置しすぎた。そのために無責任なコスモポリタニズムと危険な排外的民族主義への言説の二極分解が生じています。 ~中略~ 弥縫策で負のエネルギーをため込むよりも、この辺で小泉首相が正々堂々と靖国神社を参拝し、正面から中国や韓国と対峙することを通じて、日本国家がどのように近隣諸国と付き合うべきかを徹底的に考えた方が良いと思います。そこから日本国家のあり方、つまり国体を日本人が真剣に考え、「誠心」を見出すなら、中国や韓国の名誉と尊厳を担保しつつ、日本の名誉と尊厳を維持、発展させる道を見出すことができると私は信じているんですよ。

この部分には全く以って共感しました。私も日頃、講演をする時によく言うことなのですが、「靖国問題は本来、『外交問題』ではなく『ドメスティックな宗教問題』であると思う。参拝に反対されている国々は大雑把な括りではあるが、いわゆる『大陸系儒教』の国々であり、日本の『神仏』、神々と仏が混在する宗教観とは相計ることのできない存在である。である以上、この問題に対しては日本政府が誠実に、そして徹底的に説明を続け、理解を求める以外に解決はない。それができなければ、いつまでも国内に於いて混乱を招くようなナショナリズム議論も解決しないし、不要に批判的な国々を刺激し続けるだけだ。」と思います。

P82

冷戦終了後、グローバリズムという名の下で米国一極主義が勝利したかの如く見える。しかしグローバリズムを徹底的に純化することはできない。そこには超えることのできない民族/国家、そして文化の壁があるからだ。グローバリズムは虚偽の意識体系である。従って、それに反発するアンチグローバリズム運動も深い所で現実に影響を与えることはできない。

繰り返しになるが、この世界の基本構造は、ネーション(民族/国家)を基礎とするインターナショナリズム(国際主義)である。個人は民族/国家を媒介として世界に至るのである。従って、ほんとうの愛国者が国際人になる。日本国家、日本人に対する心底の愛がないならば、そのような人は国際社会でまともな相手にされない。

この部分に関しても以前、講演を行った時に「一人の人間が国際社会に出て行くとき、恐らく『貴方はどこの国の人ですか?』とか『どこから来たのですか?』と聞かれるでしょう。仮に『貴方の国はどんな国ですか?』と聞かれた時に、自分の生まれ育った国を誇れないような人間が果たしてそういった場面で通用するだろうか。国際社会に於いて日本という国家、そして我々日本人が生き残っていく為には、単純に国際情勢に長け、国際感覚に優れた『国際人』を育成していくのではなく、自らが生まれ育ったこの国を、自分たちの祖先が築き上げてきたこの日本を、世界のどこへ行っても誇れるような愛国心を持った『国際的な日本人』を創り上げていくことが必要である。」と述べたことがあります。

外交に対する見識や諸々の知識量など、まぁ、佐藤氏と私では同じ土俵には上がれないほど大きな差はありますがある意味、畑は違っても同じ神学を学び日々造詣を深めるための努力をするもの同士ということなのでしょうか・・・。

しかし佐藤氏と私の何よりの共通項は二人とも「日本人」であり、「この国を愛する、愛国者」である、ということなのかも知れません・・・・・。

興味をお持ちの方は是非、「国家の自縛」(産経新聞社2005年)読んでみてください!!

面白いですよ!!!・・・・・・・・・・・CMみたいかな?(笑)

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コメント

milestaさん、こんばんは。
わざわざすみません・・・。
私も本当に気を付けなければならないと思っただけでして・・・。

>その言葉尻を捉えて、「危険、危険」と騒ぐ人たちって何だかなぁと思って書いたコメントでした。

そういう方々の餌食にならないように私も気をつけねば・・・・・。
有難うございます。

投稿: 管理人 | 2005年11月21日 (月) 01時25分

すいません。田舎の神主さんの言葉を正すつもりじゃなかったんです。日本では「ナショナリズム」と言うのが一般的になっていますから。
その言葉尻を捉えて、「危険、危険」と騒ぐ人たちって何だかなぁと思って書いたコメントでした。

投稿: milesta | 2005年11月20日 (日) 18時16分

milestaさん、こんにちは。
コメント有難うございます。
そうでしたね・・・。きちんと言葉の意味を理解して書き込みもせねばならないのに・・・。
ご指摘有難うございます。
「良い愛国心」と「悪い愛国心」
「ナショナリズム」と言えば「排他的な愛国心」と言うことで私が思う「悪い愛国心」であるのですね・・・。
気をつけます。m(_ _)m

投稿: 管理人 | 2005年11月20日 (日) 15時37分

こんにちは。
英語では普通、自国を大切に思う愛国心はpatriotismといい、nationalismというと「排他的な」という意味も含んだあまり良くない意味合いです。(佐藤優さんが『国家の罠』の中で、ロシア語での使い分けとして書いていらしたことの受け売り。)
かのロングセラー『試験に出る英単語』でも、「試験に出る最重要単語」の最初のページにpatriotismという単語が載っています。

日本は「愛国心」=nationalism→排他的、好戦的、全体主義的と結びつける人が多く辟易します。香山リカさんが「プチナショナリズム」などと言って警告を発しているのも、この流れですね。

投稿: milesta | 2005年11月20日 (日) 08時04分

きはちさん、こんばんは。
コメント有難うございます。
レスが遅れまして失礼致しました。
私の見識不足の意見に的確な分析を頂きまして有難うございます。
「良い愛国心」と「悪い愛国心」は本当は紙一重なものであると思います。
一歩間違えば佐藤優さんの仰るような「排外的ナショナリズムのスパイラル」という悪い連鎖に陥ってしまうのでしょうね・・・。
今後もこの問題については私も浅学ながら愚考を重ねて生きたいと思います。

投稿: 管理人 | 2005年11月16日 (水) 23時00分

↑すみません。(^_^;)
名前とアドレスを入れずに送信してしまいました。

投稿: 喜八 | 2005年11月14日 (月) 15時32分

田舎の神主さん、こんにちは。

じつは私も「ナショナリズムと愛国」については以前よりいろいろと愚考を重ねています。
佐藤優さんは『民族の罠』の連載第1回(『世界』2005年7月号)で「率直に言って、私は日本が排外的ナショナリズムのスパイラルに入りつつあるとの危惧を抱いている」と書かれています。私も同様な恐れを持っています。

ごく単純にいって「愛国心」が「自分たちを高めることで国をもっと良くしよう。世界のために役立とう」というプラスの方向に行けばいいのですね。これを仮に「良い愛国心」とします。

しかし、「自分たちは○○国人だから(生まれながらに)エライ。他の国のヤツラは劣っている」というような慢心や差別の方向に行くと大変に危険なものになります。下手をすると「民族浄化」や「虐殺」さえ引き起こしかねません。これはいわば「悪い愛国心」です。

田舎の神主さんの意見を拝読していると、あきらかに前者の「良い愛国心」を探求されていますね。
これは佐藤優さんも同じでしょう。
かくいう私もボンクラながら、この点に関しては今後もマイペースで考えていきたいと思っています。

投稿: | 2005年11月14日 (月) 15時29分

spiralさん、こんにちは。
コメント有難うございます。
新日鉄の能力開発部に於ける『日本ーその姿と心』の発刊は大変喜ばしいことですよね。
以前、某崇敬会の会合の議題に取り上げられ、そして現代の日本人に失われてしまった心をどのように取り戻すべきなのか。その話を元に『教育勅語』を公教育に於いて扱うよう提言してはどうか、という話に膨らんでいきました。
先達て某地方宗教連盟の会合に於いても『心と教育』というテーマで官庁の方から『現代に於ける宗教文化とナショナリズムについて教育という側面への知恵を拝借したい』というお達しを頂戴いたしました。
増加する少年犯罪に歯止めをかけ、現代人が持つ『心の病』を、宗教という立場から現代の日本人に欠けているものを補う役割を期待したいということでした。
その為にもこういう文献にふれ、日本人のアイデンティティーをキチンとした形としてあらわすことの重要性を考えねばならないと思います。
国旗、国歌に対する意味、天皇陛下の存在の重要性、そして先の戦争の本当の意味と正しい概容、そういったものの認識無しに良い教育など存在し得ないものであると深く感じます。

投稿: 管理人 | 2005年11月14日 (月) 10時48分

こんばんわ、spiralです。

もしかしたら田舎の神主さんはご存知の話かもしれませんが、そうであったらごめんなさい。

戦後、我が国では、日本人として当然知っておかなけれなならない基本的なことは全く教えてきませんでした。

国旗、国歌の意味とか、天皇の存在意義等について、教科書では触れていません。(扶桑社版は触れていますが)

これでは若者が海外に出て質問されても答えられず、「国際人」として恥をかきます。

そこで、新日鉄の能力開発部が『日本ーその姿と心』という本を発行しました。

新日鉄は海外で事業を展開する中で、真の国際人というのは語学が出来るなどということではなく、自国に誇りを持ち、文化・歴史をきちんと学び、語れる人だということに気づいたのです。

この事は、戦後の教育内容に対する反証だと思います。

投稿: spiral | 2005年11月13日 (日) 19時14分

spiralさん。こんばんは。
コメント有難うございます。

>真の国際人であることと、真の日本人であることとは同意であると私は思っています。
外国の事情に明るいとか、英語が話せるとはそのような事は二の次ですよね。

本当にそうですよね。
逆説的にいえば日本を卑下し、海外に憧れ、外国で生活されている方は決して「国際人」などではないと思うのです。

投稿: 管理人 | 2005年11月13日 (日) 18時11分

こんにちわ、spiralです。
いつも拙ブログにコメント下さり、ありがとうございます。
田舎の神主さんが引用されていた、佐藤氏のご意見には、私も賛成です。
戦後、何もないどん底の状態からの復興を余儀なくされた日本国は、経済面では見事に復興を果たしましたが、その間置き去りにしてきた「国体」のあり方というものを、今こそ真剣に考える時期に来ていますよね。

そして、真の国際人であることと、真の日本人であることとは同意であると私は思っています。
外国の事情に明るいとか、英語が話せるとはそのような事は二の次ですよね。

投稿: spiral | 2005年11月13日 (日) 12時45分

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